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カート

カートが空です

ART SHOES

靴の彫刻

作品によせて

靴を見れば、その人の"ひととなり"がわかる。
几帳面なのか大らかなのか、好奇心旺盛なのか保守的なのか。
はたまた生活環境、経済状況、健康状況までうかがえる。
靴は人を映す鏡だ。
そんな靴に悲喜こもごも人間社会を語らせてみた。

深谷秀隆

このシリーズについて

この靴の彫刻シリーズは、深谷が2015年にアトリエオープン10周年を記念して制作し、 フィレンツェのマリーノ・マリーニ美術館で発表されたものです。 テーマは「ひねくれ者」「叫び」など、人間の感情や性格を靴という形を借りて表現することでした。

日本には古来より、「万物に神が宿る」という思想があります。 人間以外のすべてのもの、生物や木や石に至るまで、全ての存在に魂が宿るという考え方です。 この精神性を、西洋の象徴である靴を通じて表現しました。

そのきっかけとなったのは、日々職人としてお客様と接する中で、 履いている靴がその人自身の人柄をどれほど反映しているかに気づいたことです。

アーティストと職人の境界を越えて

しばしばアーティストと職人の違いについて語られることがあります。一般的に、アーティストは自己表現を重視し、職人は技術や商業性を重視するとされています。しかし、深谷はその考え方に疑問を抱いています。芸術家にとっても表現を実現する上で、技術は必要不可欠なものであり、職人にも人間である限り、表現への欲求という自己が存在しています。また、芸術を実現するためには金銭的な面も切り離せません。ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチも、パトロンからの注文に応じて作品を制作していました。深谷は、フィレンツェで長年ものづくりを続ける中で、アーティストと職人という枠にとらわれず、職人としての技術とアーティストとしての個性を融合させた自分にしかできないクリエーションに挑戦していきたいという想いが出てきました。